入選作品《 余白 》
普段、紙に漆を塗る紙胎という技法を用いて作品の制作をしています。紙での制作の際にはたくさんの紙の端切れ、使わない余白が生まれます。これまでどれほどの端切れを生み出してきたか計り知れません。最近、ものづくりをする人間(自分)がたくさんのゴミも生み出してしまうことに少しの違和感を持っており、この端切れにも何か価値を見いだせるのではないかとずっと貯め続けていました。
何かこのまま捨ててしまうのは勿体無いし、かわいそう。今回はその普段の制作から生まれる愛すべき副産物を主役にした作品の制作を試みました。
様々な種類の紙を細かく砕き、少し粗いパルプ状にして成形。漆を塗った段階で何か不思議な生命力を感じたので脚を生やして生き物のような佇まいを与えました。